事業計画を作成する(Part.3)
■事業計画の構成要素
実際に自社の事業計画を作ってみましょう。事業計画に必要な構成要素の一例を下記に示しました。このうち主な項目について説明します。
●会社概要・沿革
会社概要のページでは、株主構成を入れる必要があります。株主が複数人存在する場合、M&Aの買い手は、売り手の株主全員が売却に賛同してくれるかを気にします。売却に同意が取れているのであれば、他の株主と同意状況についても記載しておくとよいでしょう。
沿革に関しては、本店所在地とか代表者変更などの登記事項を入れるほか、買収した、組織再編をした、主力サービスを始めた、といった出来事を記載するとよいでしょう。
●業績サマリー
業績サマリーは、通常3カ年の数値を記載します。3年分あれば、右肩上がりなのか右肩下がりなのかが、あるいはでこぼこしているのかがわかります。もちろん右肩上がりに推移しているのが理想です。場合によっては、一度あえて業績を下げ、3年分右肩上がりにしてから売るという経営者もいます。
掲載する数字は決まっているわけではありません。業種・業態によって重視される指標は異なります。売上高・営業利益・経常利益に限らず、営業利益率、ユーザー数などを記載するのもいいでしょう。
私的な経費や、節税対策としての生命保険料の支払いなどは、欄外に書いておくとよいでしょう。正常収益力が買い手にわかるように記載方法を工夫してみてください。
●ビジネスモデル
事業内容については、できるだけイメージが伝わりやすいように、写真や図を使って説明しましょう。
ビジネスモデルもどんな書き方が正解とはいえませんが、例えば下記の図のように示すのも一つの方法です。
まずは顧客から記載します。どんな顧客がどれくらいいるのか、属性の内訳を書くといいでしょう。
また、主要な仕入先や外注先についても記載します。
最後に社内のことを書きます。それぞれの顧客に対して、どういう営業体制があって、どういうプロセスで商品・サービスを提供しているのか、業務フローを記載します。
説明しやすく事業基盤がきちっとしっかりしていることが伝わるような内容にすることが重要です。
なお上場会社の有価証券報告書にはビジネスモデル(事業系統図)が図とともに記載されています。もし上場会社で自社と類似する会社があるようでしたら、その有価証券報告書を参考にしてみてください。
続く