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どうすれば、あなたの会社を高く売れるのか?(Part.1)

■高く売るための三つの側面

 

 

 売れる会社、売れない会社の特徴がわかったところで、高く売るための方法を考えていきましょう。

 

 高く売るための方法には、「財務」、「事前準備」、「交渉術」の三つの側面があり、それぞれポイントがあります。順番に解説していきます。

 

■【財務面】Point1. 財務面を強くする

 

 

 まず財務面について。財務面には三つのポイントがあります。

 

●損益を改善する
 損益は買い手が価格を決定するうえで一番よく見ている要素の一つです。当たり前ですが、できるだけ利益が出ている状態にすることが大切です。

 

 赤字部門を削減・廃止したり、ムダな経費を削減したりして、ともかく損益計算書の改善・向上に取り組みましょう。

 

●資本効率を上げる(貸借対照表の改善)
 買い手はキャッシュが欲しいのではなく、売り手の事業が欲しいのです。必要のない現預金や遊休資産はできるだけ持たないで、シンプルな状態にした方が喜ばれます。本業だけを売るのがベストなストーリーです。

 

 では多額の資産を持っていたらどうするかというと、別のコラムで説明した会社分割の方法を使う方法もあります。そのようにシンプルになった会社を売却した方が、結果的には手残りも多くなり、社長自身の資産を残すことにつながります。

 

 また、有利子負債を返済することも資本効率を上げることにつながります。基本的に会社の売却価格(株式価値)は、事業が生み出すキャッシュフローをベースにして、そこからネットデッド(有利子負債-余剰資金)を差し引いた額で決まります。

 

 借入金の返済は、キャッシュフローを減らす要因になりますので、有利子負債が多い会社は、その分だけ売却額も低くなるということです。

 

 例えば年間1億円のフリーキャッシュフローを生んでいる会社があり、5年分のEBITDA=5億円で売りたいとしても、借入金が2億円あれば、最終的な売却価格は3億円になってしまいます。

 

 会社経営をしている以上、「借りられるうちにたくさん借りておく」ことは鉄則と言えますが、売却価格を考える上では、有利子負債はなるべく減らしておきたい項目です。

 

 ROI(投資対効果)を高めることも心がけましょう。ROIとは、投資に対していくらの利益を出せたのかという指標です。

 

 もし売り手企業に余剰資金がたくさんあると、それらを考慮して価格に上乗せしてはくれるものの、ROIという視点で見ると「資本効率が悪い会社」と判断されてしまいます。

 

●キャッシュフローの改善
 例えば売掛金の回収サイトが長い(60~90日など)と、その分だけ資金が拘束されることになり、キャッシュフローの状況としては評価が低くなります。

 

 取引先と交渉してサイトを短縮できれば、それは資金効率の高さにつながるので、売却価格がアップすることにつながります。

 

 続く