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デューデリジェンスとは?(Part.1)

 次に買い手が行うデューデリジェンス時の調査ポイントについて理解を深めていきましょう。

 

 株価の算出方法や売却スキームを理解していたとしても、会社が売れる状態、つまりは買い手が欲しがる会社になっていないと、会社の売却(M&A)はうまくいきません。

 

 ですから、M&AによるEXITを目指すのであれば、まずは買い手の視点を理解しなければなりません。そして、経営者自身のセンスに頼った経営を続けるのではなく、いつでも第三者に経営のバトンタッチができるよう準備を行っていく必要があります。

 

 このポイントが抜けていると、仮に業績が良くても会社経営に関するさまざまなリスクを買い手候補が懸念して低い価格しか提示しかったり、買い手候補との交渉が途中で破談してしまったりと、上手くM&Aを進行できない要因になってしまいます。

 

 デューデリジェンスで調査される事項は、健全な会社経営をする上で当然に必要とされることばかりです。その多くは、上場審査の過程で聞かれる項目とも共通します。

 

 つまり、デューデリジェンスで重要なリスクについての指摘がなされないよう準備をすることは、企業成長にとって必要なことであり、強い会社にしていくことに繋がります。

 

■買い手企業が行う調査

 

 デューデリジェンス(DD)とは、Due(義務)とDiligence(努力)を組み合わせた言葉で、本来は「意思決定や判断をする際の情報収集のために、企業などに要求される当然に実施すべき注意義務及び努力のこと」を意味します。

 

 M&Aの実務においては、買い手側(買収元企業)が売り手側(被買収企業)の状況について、「どのようなリスクがあるか」「どのようなシナジー(相乗効果)を見込めるか」「本当に投資してもよいかどうか」を把握するために行うさまざまな調査のことを指します。

 

 DDは買い手側の費用負担において行われます。特に上場企業が比較的規模の大きな企業を買収する際には、株主への説明責任を果たすために第三者(監査法人や法律事務所など)に依頼して詳細なDDを行います。

 

 ただし、中小企業を買収する際には、案件のサイズによっては詳細なDDは行われないケースも多いです。

 

 会社のEXITを考える時、少しでも高値で売るためには、買い手企業となるかもしれない大手企業・上場企業がどのようなDDを行っているのかを知り、相手の事情を理解する必要があります。

 

 DDの段階で大きな問題が発覚すると、ディール・ブレイク(交渉中止)になるケースもあります。あるいはその問題を材料に値引きを要求されます。希望通りの価格でスムーズな売却を実現するためにも、DDに対する準備をして、自社の問題をあらかじめ把握・改善しておくことが重要です。

 

■デューデリジェンスの種類

 

 DDは複数の視点から行われます。イメージしやすいのは、税理士などが決算書や財務実態を調査する財務DDです。しかしそれ以外にも以下のようにいろいろなDDがあります。各DDの内容は後ほど詳しく説明します。

 

図表

 

 続く